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家族性ALS(SOD1)

ALS(SOD1)の発症有無の検査、そして新薬トフェルセンの効果について

2023年11月26日

ぴのこ

日本国外に住むぴのこです。ALS(SOD1)遺伝が確定していますが、まだ発症していません。

そんな中、先日ALSの発症をしていないかどうかの検査のために、家から1時間半ほどのところにある大学病院へ行ってきました。

PGT-M(着床前診断)で通っている別の大学病院があるのですが、その大学病院Aと、今回行った大学病院Bは姉妹病院のような感じで提携しています。

私が以前ALS遺伝があるかどうかの検査をしてくれたのは大学病院A。
そして、ALSなどの神経性疾患の専門部署のある大学病院BをAに紹介してもらい、3年前に一度発症していないかどうかの検査をしたことがあります。

そんな大学病院Aから電話があったのが数か月前のこと。

「この国で新薬トフェルセンの治療ができるようになったから、もし発症していれば大学病院Bで治療ができるよ!」

と言われたのでした。

今のところ自覚症状はまったくなく、発症していないと思われる旨伝えたところ、念のため年に1回くらいの頻度で検査をしておくといいと思うよ、大学病院Bに連絡してみてと言われ、今回3年ぶり2回目の検査を受けることとなりました。

ALS(SOD1):新薬トフェルセンの効果について

今回検査を担当してくれたのは3年前と同じE医師でした。
どうやらこの国でのALS研究・診察の権威?っぽい?方のようです。

まずはこのE医師との面談からスタートしました。

トフェルセンについて

ALS SOD1の新薬として話題のトフェルセン。
今回E医師は以下のようにトフェルセンについて話をしてくれました。

トフェルセンについて

トフェルセンはDNA/mRNAレベルで作用する。
DNAは体の設計図/マニュアルであり、体がタンパク質をつくる時にDNA情報が必要になる。
SOD1血管はDNAにあり、それはつまり時間の経過とともに悪いたんぱく質が作られ続けていることを意味する。

トフェルセンは、不正に作られた情報を補足し、このプロセスをフィルタリングすることでこれに対抗し、不正なDNA細胞が作用するのを阻止する。
実際にはそれはもっと複雑なことであるが、これが基本的な考え方である。
例えば、工場がマニュアルに基づいて製品を作るのに、マニュアルに欠陥があるため製品の間違いが継続的に発生するのと同じである。
したがって、不良製品を発見する人がいるということは、最終的にその不良製品を使用する顧客が少なるということを意味する。

E医師によると…

現在のところトフェルセンはこの病院では5人の患者に使用されている。
その結果は良好かつ肯定的なもので、近隣の他国でも同じような結果が得られている。

とは言え、トフェルセンはまだFDA(米国商品医薬品局)、またはEMA(欧州医薬品庁)の承認を受けていないため、まだ健康保険の対象にはなっておらず、「公式の医薬品」としては使用されていない。

E医師はEMAが今後数か月以内にこの薬を承認することを期待しているとそうで、そうなった場合はつまりその後治療薬としての認可が正式に下りて、正式に治療に使用することができるようになる。

2023年11月現在の現時点でトフェルセンを使用したい場合には、関係者全員(医師・病院・メーカー・患者)がトフェルセンの使用に署名する必要がある。

トフェルセンは医学研究者によって安全であると考えられており、治療を早期に開始すると適切な効果があることが示されている。

現段階では医学試験として、そして承認が必要ではありますが、薬の使用しての治療は可能。

トフェルセンの治療を受けるには

この国でトフェルセンの治療を受ける場合、今のところ(2023年11月現在)治療は4週間に1回の腰椎穿刺となる。
効果が現れるまでに約5~6週間かかるため、早期発見が非常に重要である。

E医師らは、神経系や血液中の特定のたんぱく質のレベルが上昇することで、何か体に変異が起こっていると気づくことができる可能性があると分かっている。
しかし、今のところ正確にそれが何に対して作用するのか(例えばアルツハイマーだったり他の神経疾患等)ははっきりと分からない。
ただ、ALS SOD1のケースでは、その欠陥について既に判明しているため、ほぼ確実に発症の兆しに気付くことができると言える。

今のところ実際にトフェルセンでの治療を実施している患者の治療結果は良好で、トフェルセンは症状の進行を阻止し、場合によっては、特に筋肉と動作の機能を改善できるようである。

…とのことでした。

ALS(SOD1):発症診断の検査内容

さて、トフェルセンについていろいろ話を聞いた後は、検査を行いました。
内容は以下の通りです。

  • 医師の触診
  • 針筋電図
  • 血液検査

医師の触診

なるべく肌が見える状態にするため服を脱ぎ(真っ裸というわけではありませんが)、普通に歩く、つま先立ちで歩く、かかと立ちで歩く、腕や足、指などの筋肉の動きに問題がないかを見られました。
医師がギュッと腕を押してくるのでそれを押し返すようにして力の具合を見たり、といった内容でした。

針筋電図

筋肉に針を刺し、そこに電気を流して検査をします。
私は今回、手の親指の付け根(左右)、腕2箇所(左右)、ふくらはぎ2か所(左右)、太もも(左右)、背中、腰、左顎、鼻の下の左側、あごの下に針を刺されました。
途中血管を刺してしまったものもあり、右腕からしばらく血がとまらず、その後ものすごい内出血の跡が残りました。

筋肉に針を刺して電気を流すので、もちろん痛みはあります。
ものすごく辛い!痛くてたまらない!というほどではありませんでしたが、顔をしかめて「イテテテテ💦」と言ってしまうくらいには痛かったです。

針を刺したまま腕を伸ばしたりと筋肉を動かさなくてはいけないので…
うん…結構痛いです…。

血液検査

血液検査はいたって普通の採決をされました。
この結果の詳細については1か月後に電話面談で説明がある予定です。

今後の私の治療に関する流れ

現時点(2023年11月時点)で私はまだ何の症状もない状態なのですが、先日2023年11月13日の検査結果に基づいてE医師はベースラインを作成してくれました。
今の時点ではタンパク質の量がどの程度であるか、という部分についてです。
それにより、5~6か月後に再度検査を受けてその結果をベースラインと比較し、変化があるかどうかを確認することとなります。
もし変化が見られた場合、迅速に行動し、治療を試みる必要があるとのことでした。

そんなわけで、私は今後1年に2回の定期検査を実施し、加えて研究調査用の検査にも参加することとなりました。
なるべく発症が遅くなることを願うばかりですが、今できることがあれば率先してやっておきたい気持ちが大きいので、今回の検査は未発症と分かっただけでも大収穫でしたが、今後もし発症したら、また発症が予期できるかもしれないという話と具体的なその後の対策を聞くことができて本当に良かったです。

以上、どなたかの何かしらの参考になれば嬉しいです。

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